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アラフィフ研究者の日常を綴っています

やり直し中国語

これが使用テキスト

「やり直しの英語」があるなら、「やり直しの中国語」もある。

私は大学時代、第二外国語として中国語を選択し、結構熱心に勉強した。

きっかけは当時つきあっていた人(中国の方ではないが、中国語話者)の影響。お恥ずかしい限りである。詳しい事情は省略するが、とにかくちょっと不純な動機で始めた中国語。

履修者は20人ほどのクラスで、愛想のない無表情な日本人の先生が担当だった。ある日、「あなた、とても発音がいいわね、筋がいい、このまま勉強すれば間違いなく上手くなる」とお褒めいただいた。お世辞など絶対に言いそうにないその先生からそんな風に言われて、いい気になった私は真面目に勉強し、1年半ずっとよい成績を取り続けた。途中、台湾にホームステイにも行き、自分の中国語を試してみたりした。全然通じなかったけど。

その後、通常2年かかるところを1年半ですべて履修し終わり、その次の段階に進むにはメインのキャンパスに行かないといけないということだったので、そちらにも行くことに。ところがそちらに行ってびっくり。そちらのキャンパスのクラスには100人ぐらいがひしめき合って座っていた。しかも、みんな授業などあまり聞いておらず、こそこそくっちゃべっている。

しかし、驚いたのは最初だけで、前方に座っている真面目学生の固まりに加わり、それなりに楽しく授業を受けた。試験にも真面目に準備して臨んだが、なんと教科書の問題がそのまま出題されて、これまたビックリ。教科書は丸暗記、前に出てそれを諳んじる、その後、時間制限内にピンインをすべて書き提出という小テストを毎週課され、中間期末も激ムズという状況になれていた私はすっかり拍子抜けしてしまった。そうじゃないと、後方の不真面目軍団が落単の憂き目にあうからという先生の配慮だったのであろう。

それで何となく馬鹿らしくなり、教室では口頭練習もほとんどないので、中国語を辞めてしまった。それに、お付き合いしていた人とも別れてしまったから、中国語熱も恋心とともに一気に冷めてしまったのだ。まあ、その程度の熱意しか持ち合わせていなかったのです。

 

そして、ウン十年後。時空を超えて、ふと思い立ち、もう一度勉強してみることにした。最近、加齢とともに、初学者の気持ちを忘れてしまうことがある。それで、「こんなのできるでしょ」という具合に授業を進めてしまい、後から反省するなどということがあった。もう一度あの気持ちを味わい、学生にできるだけ寄り添おうと、私も自ら学習者になることにしたのだ。

さて、4月からオンラインの授業を取ろうと、ちょっと聞いたことがある孔子学院を探し始めた。ところが、検索してみると、ウソなのか本当なのかわからなぬような情報が上がってきて、どうにも不安になってしまった。こんな記事もあり、全然心配ないだろとは思いつつ、

 

bunshun.jp

同僚の中国人の先生にお聞きしてみた。すると、その先生は大爆笑。「〇〇先生、スパイになるような秘密持ってるの?なら私に教えて!爆」という感じ。考えてみたら、それもそうだ。私を捕まえてスパイにして何の得がある?中国語もまだ全然できないし、捕まえてスパイにするならもっと若い子だろ。うぬぼれていた私がなんとも間抜けである。恥ずかしい。

でも孔子学院はグループレッスン。私のようなノロノロおばさんが他の生徒さんのペースについていけるはずもないと、台湾の会社が運営しているオンラインレッスンの学校で、台湾人の先生にマンツーマンで教えていただくことにした。

こんなにド初心者がマンツーマンは効率が悪い、もっと上達してからマンツーマンにすればいいと思うかもしれないが、私は独学でやったら、絶対に挫折する。だから、ペースメーカーとして、先生についていただくのだ。それにすぐに質問できる。我母親と我的母親の違いは何だろうと思ったら、すぐに先生に聞けるのがいい。それから、先生の生の発音を聞けるのがとてもいい。先生は毎回同じ先生にお願いしている。私と同い年くらいの女性の先生。これが大正解だった。同じ世代の先生同士、マジでいい。台湾事情も教えてくださって、毎回爆笑しながらレッスンが終わる。毎週の授業が楽しみである。

毎回、最初の数分、こちらで前もって準備した中国語の文を先生に言ってみる。「日本では今コロナの感染者が増えていて…」のようなことを、稚拙な中国語で言うのである。「今、日本にはコロナの人がたくさんいます」みたいなおバカっぽい感じ。通じればいいんですよ、このレベルでは!「マスク」「電車」「外」「散歩」などの関連語彙も調べておいて、パソコンの向こうの壁に貼っておき、使えるタイミングが来たら使ってみる。通じたときの嬉しさよ…。

2年ぐらい続ければ、台湾旅行に行っても困らないのではないかと、今から2025年あたりの台湾旅行の計画を立てている。

あ~、牛乳大王の木瓜牛乳が飲みたいなあ。

 

www.tour.ne.jp